タンデムで風をきる

練馬区支部 金澤茂雄

 「さっそうと風をきってスピードを体感したい」、そんな希望が実現した。
 8月22日、都盲協のタンデムを楽しむ集いに参加する。 本年度になってから予定の日曜日は、雨ばかりで中止になっていたので、臨時にサイクリング協会が実施して下さった。
 39.5℃という驚くほどの猛暑も収まり、涼風が優しい日である。 太陽も遠慮がちに時々照らしていた。二重橋の駅前に下りると松の香りが漂い、広々とした感触が身を包む。「えっ、ここが東京?」信じられないほど静かなのだ。
 10時から早速サイクリング協会の人の後ろに乗り、「二人乗り自転車」を楽しんだ。
 パートナーは中央区の料理屋さんのご主人、彼が舵を取り、私は後ろから漕いだ。 最初は軽いペダルで慣れた頃からギアをチェンジし、ペダルを重くしてくれた。大好きなスピードが出る乗り方。 私は最初体をゆすって漕ぐので、努力のわりにスピードが出ない。一生懸命に漕ぐとそうなってしまうらしい。
 「ハンドルを自分に引き寄せながら、体をゆすらず漕いでごらん」とアドバイス。
1周1.2キロを休みを入れながら2、3周回るうちにコツを覚えて、40キロのスピードを出すことが出来て大満足。
 「信号が変わらないうちに通過しよう。赤になりそうだからがんばれ」と言われながら1周で休むところをもう1周スピードを楽しんだ。もう疲れないので、何周でもいけそう。
 次に本邦初公開の運転手が後ろに乗るタンデムに乗る。 私たちが前に乗り体を後ろに倒すようにして足を上げてペダルを漕ぐ。少し寝たような格好になるのでラクチン。 前からは風が吹き付けて「風をきる」を実感。 誰かが私たちを抜いていったので悔しい!!必死に漕いだらチェーンが外れてしまった。 静かに乗らないとこの自転車は怒るらしい。 パートナーはがっちりとした自転車乗り、練馬区の西大泉とか。話しが弾んだ。
 最後に私が後ろに乗る、軽快なスポーツ自転車に乗った。料理屋さんの彼が景色を説明してくれる。 「まっすぐ行くと日比谷公園で、その先は東京クワーや六本木ヒルズだよ。 右へ曲がろう。また右へ曲がって、今度は気象庁や毎日新聞の方角。
そして帰り道の左には消防庁やパレスホテル。白鳥が泳いでいてきれいだよ」
 私は次第に道路が下がっているように感じたので聞いてみる。
「この引っ込んだところは何ですか?」
「あそこは堀の向こうの石垣。ぎっしり重ねてあり形がいいよ」
 家族連れが憩う静かな日曜日、いい空気と木々の薫り、そして上手な説明に浸った。体を動かして超気持ちがいい。
 サイクリング協会の皆様と都盲協に感謝しながら帰宅した。

点字東京



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